20/07/23 14:32

事務室の本棚「恐怖に凍てつく叫び」

 恐怖に凍てつく叫び

今回ご紹介する本はレノア・テア著、西澤哲訳の「恐怖に凍てつく叫び」です。
西澤先生の講演をお聴きする機会があり、その講演の中で、かなり翻訳を頑張ったが、その割に売れ行きはちょっと残念というようなことを言われていました。
私はかねてから、この本は「面白い」と思っていたので、ここで紹介したいと思います。
本の裏表紙にはこう書かれています。

──1976年アメリカカリフォルニア州チョウチラで26人の子どもたちがバスごと誘拐されるという事件が起こり、事件発生から2日後に、子どもは生き埋めになっていた穴から自力で脱出し、事件は解決を見た、と誰しもが思っていた…。しかしレノア・テアはこうした体験が子どもの心に何らかの「傷」を残しはしないかと懸念を抱いてチョウチラに向かい、その後数年にわたって誘拐事件に巻き込まれた子どもたちの人生を追うことになる。
この本はこの『チョウチラ・スクールバス誘拐事件」の調査研究を縦糸に猛犬に襲われ首を食いちぎられる被害にあった子ども、ヒルガード保育園における集団性的虐待事件に巻き込まれた子どもなど、トラウマ性の体験をした人々の夥しい「物語」を横糸にして編み込まれた、複雑で精緻なタペストリーである。さらに、膨大な量の文学や映画、芸術作品を貫くトラウマ性のテーマを探索することにより、他の専門書群を圧倒する質を備えた比類なき1冊となっている──

この文章を読んだだけで、どんな内容が展開されていくのかドキドキします。
もちろん、本書は『子どものトラウマ研究の原点というにふさわしい』と思いますが、加えて推理小説を読んでいるような面白さもあります。
この本を皆さんに「読んで、読んで」と勧めてお貸ししたのですが、 完全に読み切った方は残念ながらいませんでした。
何故かというと、何しろこの本は注釈を入れて430頁余もあり、横書きで上下の余白1センチを残して、イラストもなく文字に埋め尽くされているからです。
講演で、西澤先生がポストトラウマ性の遊びは、ある世代から次世代に受け継がれていく、日本わらべうたの「かごめ、かごめ」もそうではないか?と話されていました。
それはなぜか、この本を読むと分かるかもしれません。(K.M)

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