13/12/26 21:56
田舎もち
毎年年末に田舎もちをついて発送する。といっても今は自分のテリトリーではないが。
元は郵便局が始めたのだろうか。
30年くらい前だろうか。郵便局の職員が、小谷に伝わる餅を故郷の味として小谷から出て行った人たちに発送する、ということを事業化した。
それは地域住民や農協、行政とともに発展しそれぞれにメリットをもたらした。
すなわち、もちを製造する人は米や雑穀の栽培からもちになるまでの作業、農協はその指導や資材調達、最終工程を担い、局は受注発送をする。
発注者は昔懐かしいふるさとの味を賞味でき、そのシステムは今も続いている。
田舎もちとは、栃もち、豆もち(黒豆)、きびもち(タカキビ)、あわもちの4種類。
しかし高齢化により製造グループが崩れ始め、一時期は農協でももちをついていたが、ここ数年小谷に移住した人たちが栃の実を拾い、後継者として育っている。
12月、大忙しで製造する田舎もちもようやく今年の作業を終えたようである。
もちをつく。
杵つきをいったん回転機械に移すのは形を整えるため。
それをステンレスの型板に移す。熱い!
ここが男の?勝負!
空気が入らないように、しわにならないように、均一な暑さになるように、固くならないうちに型板の隅まできっちり広げる。
これを一晩放置して翌朝商品サイズに切りそろえる。
書けば簡単そうだが、なかなか熟練のいる作業である。
そしてもっと大変なのが原料確保。
特に栃の実は実の確保から乾燥、皮むき、アク抜きなど気の遠くなるような工程を要する。
小谷の田舎もち、確かに安くはない。出来具合も工場生産の白いもちのようにきれいではない。
でもそこにはホンモノだけがもつ価値が搗きこまれている。
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