13/02/19 23:28
おじいさんの古時計
母が言った。
時計のネジを巻いておいてくれ、と。
いまどき珍しいゼンマイ式の柱時計。
私の祖父母の金婚記念に子どもたちが贈ったもの。
明治に生まれ、激動の時代に大勢の子どもを育て、百姓をし、林を造り、機を織り、藁細工を造り、それらはすべて生きるために、子を育てるために行われた。
その祖父母の金婚記念、に父の兄弟たちはこの柱時計を贈った。
40年前のことである。
歌の「おじいさんの古時計」のように100年以上経っているわけではないが、今も現役で時を告げている。
平成7年の豪雨災害で改修したわが家。
時計をどうしようかと話したときに母は、この場所がいいじゃないかといい、玄関を入った正面に飾られた。
大きな家によく似合う趣きのある時計である。
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