14/07/04 22:17
山の上の家
〇〇さん、いたかい?
おう、お茶だお!寄れ!
こんなうれしいやり取りは職が変わってからずいぶん少なくなった。
ちょっとした話があって寄ったのは山の上のある農家。
この縁側から顔が出てくるのがうれしい。もっともこの家は件のオヤジの家ではなく隣の家だが、隣の家の縁側から顔を出して「お茶だ!」というあたりが田舎の楽しさ♪
この家の縁側の外は庭であるが、急峻な地形を利用して庭に母屋から続く庇をつけてしまった。
これで冬も庭先の雪の始末をする必要はなく、母屋の屋根から庇の先に落ちる大量の雪は家の前の急峻な斜面が飲み込んでくれる。
それにしてもこの庇に取り付けられた建具が気に入った。
古い建具を持ってきてつけたものであろうが、実に田舎らしいい雰囲気がでている。
いや、雰囲気ではなかった。これが田舎そのものなのだ。郷愁ではなく現実のものである。
ここから見える景色がまたいい。
中谷の谷で最も好きな景色である。
過疎の村とはいえ、この景色の中には人々の息吹が、生活が感じられる。
いや、これも絵ではない。現実である。
2人で訪れた先でオヤジの昔語りを聴く。
里山の見識の広さには驚かされる。
今でこそトレイルランニングなど流行ってはいるが、猟師でもあるこの方々の行動範囲は半端ではない。
それが日常なのである。過去ではない。いまだ現役。
ハナシを聴いていれば面白く、うらやましくもあり辛そうでもあり。
何一つ不自由なく育ち、サラリーをもらって生きてきた身には到底務まらない本当の田舎暮らし。
でもせっかくこの山奥に生まれ育ったからには、裕福な暮らしも豊かな精神も両方味わいたいもの。
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