15/05/20 23:43

友の訃報

 

香典返しの挨拶状はちょっと変わったものだった。

高校の同級生として出会い、同じ部活動で3年間親しみ、その後はほとんど会うこともなかった友。

先日その訃報を聞き、遠方であったことから代表に香典をお願いした。

 

返ってきたこの挨拶状を読み、何度も何度も高校時代の彼が頭を駆け巡る。

入学したときは同じ組、横の席だった。

担任の説明を少し聞き漏らした彼は隣の私のメモを見て「すいません、ちょっと見せてもらえませんか」

それが彼との最初の会話だったと記憶している。

 

彼はスキーを志して通学圏外のこの高校にやってきた。

運動能力も学力も体格も私と同程度(といったら怒られるか)、違うのは彼のチャレンジ精神と社交性と強気だった。

球技の苦手な私は球技のルールを覚える気もなかった。というよりも気が弱いので審判をやらされるのが嫌で覚えなかった、という方が正しい。

彼はそんなとき誰よりも積極的だった。

 

スキーを志して来たけれど、それで大成するのは名門スキー部といえども数年にひとりというのが現状。彼もまた大成することはできず、しかしスキー関係の業界に入った。

あとは私の知らない世界であるが、挨拶状に書かれているとおり、なのだろう。

 

最後にあったのはおそらく30年くらい前。

その時はまだこの挨拶状を書かれた息子さんはいなかったはず。

その後、彼がどんな人生を歩んだのかが窺い知れて懐かしく、こんなことなら生きているうちに一度会っておけばよかった、還暦近い同級生の顔を見ておけばよかった、と悔やまれることしきり。

 

短いけれど、おそらく幸せな人生だったのだろう。

こんな立派な息子さんがいるのだから。

喪主のお名前を拝見しても、彼らしい真正面からの命名である。

 

もう一度会いたかった。

高校入学時代の春風がふっと香り、彼の笑顔が浮かぶ。

ご冥福をお祈りします。

合掌

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