17/06/15 23:22

古自転車のレストア

25年前に買った安物の自転車ですが、妻にレストアを頼まれました。
レストアというのは、クラシックカーなどを新車のときのような状態に復元する作業のことです。
希少な名車の場合は1年以上の歳月と、100万円以上の費用をかけてレストアします。

しかし、こんな安物の古自転車を?
程度の良い中古を買ったほうが早いと思いますけどねぇ(^_^;)
ですがこの自転車、いわゆるママチャリとはちょっと違うデザインです。色もなかなか良い。
ママチャリと違うのは荷台が無いですし、このハンドルの形は、昔のツッパリ高校生に好まれた「カマキリ」と言われるタイプです Σ( ̄□ ̄;)//ェッッ!!?(爆)

レストアというほど大げさな作業ではなく、略式でやることにしました。
私の場合は若い頃自動車の塗装工場にいたので、一応の技術は習得しています。

自分の車も補修塗装するので、業務用の塗料を買ってありました。
(右側のはチェーンの潤滑剤チェーンルブです。下の方で説明します)

一斗缶で買ったので、一生使えるほどの量です。
左側の丸い小さな缶は硬化剤。これを1割混ぜて使います。そうすると乾いた後はシンナーで拭いても溶けません。
耐久性は雨ざらしでも10〜20年大丈夫です。

ホームセンターなどに自動車補修用の缶スプレー塗料が売られていますが、それに比べるとずっと安上がりだし耐久性が良いです。

コンプレッサーの圧縮空気で、スプレーガンを使用して塗ります。
そういう道具を揃えるのにン万円かかりました。

ハケ塗りも可能ですが綺麗には仕上がりません。
ちなみに、薄め液のシンナーも塗料に合った専用品を使用しないといけません。
そういう面倒な事まで考えても、トータルでは安上がりです。

まず、分解できる部分は分解して汚れを落とします。
車用のコンパウンド(磨き粉)で磨いてさらに綺麗にします。
これは塗装前の足付けになります。
足付けというのは塗膜の密着を良くし、はがれにくくする作業です。
しかし、この自転車は塗膜が劣化していたので磨いてもツヤは出ませんでした。
白っぽく表面がザラザラしていました。

本式には、古い塗膜をサンドペーパーで全部削り取ってから、好きな色に塗装するのですが、略式という事で古い塗膜を何とか生かせないものか?考えました。
それで足付けにコンパウンドを使ったのでした。

試しに透明な塗料を吹き付けてみたところ、綺麗に再生できる事がわかりました。
全体に透明な塗料を吹き付ける事にしました。

新車のときのツヤと色彩がよみがえり、美しいパールメタリックもよみがえりました!(上の拡大写真)
新車のときよりも綺麗なくらいです。

塗料がかかると困る部分には新聞紙を貼り付けて、全体をシリコンオフ(脱脂用アルコール)で拭いてから塗装します。
シンナーで拭く場合もありますが、これは下地が鉄板の場合で、塗装された表面に塗り重ねる場合にはシンナーを使うと表面が溶けてしまって失敗する危険性があります。

一度に厚く塗るのでなく、5回に分けて薄く塗り重ねます。
塗り重ねには5分ぐらい時間を置きます。

細かいパーツはサビを落としてからブラックに塗装しました。

塗装後は直射日光に当てて乾かします。
塗料が熱によって化学反応を起こして硬化するので、3日ほど日に当てる必要があります。
専門の工場では赤外線を当てて早く硬化させますが、焼付けではないので100度以上にしてはいけません。
夏の直射日光ぐらいが一番良いのです。

合成樹脂のサドル表面には、CRCクレポリメイトを塗ると新品のように綺麗な黒になりました。

試乗してみて悪い所を直します。
可動部分の注油、ブレーキの隙間調整。
前の車軸(ハブ)がゴロゴロしてスムーズに回転しなかったので、テフロン入りの特殊グリスをタップリ入れ、ベアリングの締め具合を調整しました。
チェーンには「CRCチェーンルブ」をスプレーしました。
これは自転車を調子よく走らせるには最強の潤滑剤です。ホームセンターにあります。
皆さんにお奨めです。

こうして整備を済ませると、平坦地ならペダルをこがなくても進んで行ってしまうほど、軽く滑らかな走りになりました。
上り坂もとても楽です。
これであと10年以上は使えるでしょう。

完成まで3日、思ったよりも早く簡単にできました。
略式ではなく完全レストアとなれば1週間はかかると思います。


桐のタンスも頼まれました。
これは親から受け継いだ70年も前の物です!

左側のように汚く変色し、手が当たる部分はすり減っています。
それをサンドペーパーで表面を薄く削り取って、平滑な面にする作業です。
これも昔いた職場で覚えた技術です。サンドペーパーの使い方も意外と難しくて、熟練が必要です。
最初は120番で荒削り、仕上げは240番で磨いて綺麗にします。

金具までピッカピカになりました(^_-)-☆
これは思ったより簡単にでき、半日で仕上がりました。

 

今夜もトラちゃんは、お布団に顔をうずめて気持よ〜くおねんねで〜す(*^_^*)

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この記事へのコメント

お洒落な自転車ですね。
奥様のお気に入りなんですね〜。
桐のタンスは祖母が使っていたものと同じ感じで懐かしいです。
合板ではこうはいきませんよね。
物の良さも確かな技術があって、新品のようによみがえらせることが出来ますね。
習得された技術を忘れないで活かせるって素晴らしいですね〜。
今では自転車も消耗品の様になっちゃっています。
ロッドさんの家にある物たちは幸せですね。
投稿者: なっつばー   17/06/16 01:16
なっつばー様
コメントありがとうございます。
お褒めいただき、嬉しくて天にも昇る気分ですΣ( ̄□ ̄;)//ェッッ!!?(爆)
お洒落ですか〜? 今ではあまり見かけない形だと思います。
ハンドルの位置が高いので、乗りにくいですよ〜
元々が安物だったので錆びるのが早くて、こんな物直して使い続ける価値あるのか?
と正直思いましたが、今は直して良かったと思います。
もう、これで一生使えるかも?
自転車は安いので、使い捨てみたいになってますがもったいないと思います。
一方では超高級自転車が良く売れているらしい。
でも、安物でも結構な高性能ですよ〜(*^^)v

合板で作られた家具は寿命が短いですが、天然物ムク材で作られた家具は100年以上、半永久的に使えます。

実はこの桐タンス、昔空き巣に入られて鍵を工具で壊されて開けられてしまったのです。
そのときのダメージ、忌まわしい記憶を消し去るために努力しました。
曲がった金具を取り外して金槌で叩いて綺麗な平面に直して、バカになった釘穴はキリで開け直して金色の真鍮釘に交換しました。釘が抜けないように接着剤を注入しておきました。
こじられて凹んだ箇所も周囲を平均に削って、ほとんど目立たない状態になりました。
あのときの泥棒に勝った!という爽やかな気分になりました^^¥

ヨーロッパでは祖父母から受け継いた家具などを大切に使うそうですし、車だって家だって日本と違って長い間大切に使うそうです。
それでこそ先進国!
私たちも見習いたいものですね〜

私の場合は技術系・職人ワザの仕事に興味があったので、大卒ですが事務系は敬遠してそういう職場を選びました。
仕事で身につけた技術すべてが、現在の生活に役立っています。
大学なんか行かずに、早くから職人の修行に入ったほうが良かったかもしれません。ちょっと後悔しています。
投稿者: ロッド   17/06/16 20:51
自転車も桐のたんすもぴかぴかりんにゃあ!
ロッドおにいちゃんすごいのにゃあ!
桐のたんす、何代も何代も使うものだものね。
きれいにしてもらってたんすさんも自転車さんも喜んでると思うのにゃあ。
車もだけど・・・
「物」ってホントは何十年も何百年も使えるんだよね・・・
アメリカ型の消費経済、自分のことしか考えない生き方が地球に迷惑かけてるのかなぁ・・・なんて考えちゃうよ。

収穫祭にお祝いメッセージありがと!
Gavi&TibiTibiはなび様
コメントありがとうございます。
Gaviちゃん、せっかく助かった命だから、これからもずっと元気でね〜(^_^)/

もったいない精神は、日本の文化?
私は西洋の経済学を日本が導入したのが、そもそも間違いだったと思います。
江戸時代には「質素倹約のススメ」
みたいなおふれがよく出ましたが、倹約すると物が売れなくなるから経済は低迷してしまうはず。
当時の政府にはそういう発想は無かったようですね。
それでも世の中なんとか回っていた。経済が破綻することはなかった。

明治以降、とくに戦後の使い捨て奨励はひどいものだと思います。
どんどん新しい物に買い換えれば、経済が活性化する。
食べ物も残す。捨てる。
これが美徳だと思っている人がいるから困ります。

これってアメリカの真似なんでしょうか?
アメリカ人はもっと賢いと思いますけど、下手に真似をするから猿より劣るという事になってしまうのですよ(~_~;)

最近”断舎利”とか言って、何でも捨ててしまう人がいますが完全に勘違いしていると思います。
「ヘンな執着心を捨て去る」という意味なのに、物を捨てて資源を無駄にしてゴミばかり増やしてどうする?

つい数年前の事ですが、政府からの指示でリサイクルショップで中古家電の販売が禁止になりかけた事がありました。
理由は危ないから。火災の危険など。
これは業界の猛反発で撤回されました。
古い車に乗り続けていると自動車税が上がります。
13年になると5割アップ!
省エネカーに買い換えて環境問題を改善?
それはウソでしょう。本音は経済活性化です。
政府・お役人の頭の中、どうなってるんだろう?
あまりにも現実離れ、時代錯誤!!

むやみにケチケチするのは好きではないですが、本当に価値ある良い物とか愛着のある思い出の品など、しっかり選別し、大切にすべき物を修繕して使うのは生活を豊かにすると思います。
投稿者: ロッド   17/06/17 09:56
古くなったものや、いらなくなったものを再生させるって、素晴らしいことですよね。
私も基本、捨てる前に再生を考えます!^^

今じゃ、修理するより新しく買い替えたほうが安い時代。
この点をどうにかしないと、使い捨てがどんどん加速するんじゃないでしょうか。
例えば自転車、こちらでは日本に比べると随分お高いので、皆さん大事に乗られてますよ。
町の自転車修理屋さんも健在です。(笑)

物の値段が安くなるのはとってもありがたいことなんですけど、その分、物に対するありがたみが薄れてしまうんですね...

それにしても、自転車と箪笥、両方とも新品同様じゃないですか!凄いです!
じゃぁ今度はうちの自転車もお願いします。(笑)
トラちゃんの寝顔、今日もかわいいですね♡
投稿者: pil   17/06/17 15:43
またうっかり絵文字を使っちゃいました〜^^;
投稿者: pil   17/06/17 15:45
pil様
コメントありがとうございます。
共感してくださって、とても嬉しいです(^_^)

ヨーロッパ諸国は古い物を大切に長年使うそうですね。
自転車は日本より高いのですか?
私の趣味の天体望遠鏡など光学機械も、ドイツの品物は日本よりずっと高いです。
2倍どころじゃなく、もっと高いらしい。
でも、手抜きをせずにしっかり作られていて、高性能です。
しかし日本の物と比べて、お値段の違いほどの差はありません。
2割ぐらい高性能な物に、数倍のお金を払うか?
これが問題ですよね。
日本では、よほどのマニアでない限りドイツの光学機械は買いません。

しかし逆に日本では安さばかり追求して、手抜き商品が多過ぎます。
望遠鏡・双眼鏡はもちろん、自転車もそうです。
大量に売れさえすればいい、という考えなんです。
これでは愛着もわかず、大切に使おうなどという気は起きませんね(^_^;)
再生してまで使う価値があるかどうか?それが問題です。
結局はゴミの山を築くだけになってしまいます。

手間さえかければ、良い仕事はできます。
でも、手間をかけるとコスト高になるので、手間をかけられない。趣味なら良いですが、仕事としては成り立たないんです。
人件費を無視して作業することが、私のような趣味の出発点なんです。

資本主義だからと言っても、お金だけが価値の尺度ではないと思うんです。
お金では測れない価値というものがある。
時間や命まで、すべてお金に換算して、効率のみ追求するような社会では過労死などが増えるだけで、人間は生きにくい社会になってしまいます。

トラちゃん、今も横にピッタリくっついて甘えていますよ〜=*^-^*=
「今日もいい一日だったニャ〜♪」と言っています。
投稿者: ロッド   17/06/17 19:11
たいへん勉強になりました。
わたしも活用したいと思います。
投稿者: NOKO   17/06/19 21:40
NOKO様
ありがとうございます。
異分野でも、いろいろと活用できる技術がありますよね。
こちらも、いつも啓発される事が多くて勉強になっています。

最近は塗料などの素材の進歩が著しいので、新しい物の良さを知って活用すると別の世界が拓けます。
投稿者: ロッド   17/06/20 03:00


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